AB&JC PRESS は米田良三氏の私家版の制作・出版を手がけるボランティア出版局としてスタートしました。古代史愛好家に人気のある本を今まで4冊も著していながら、新しい原稿が出版社に門前払いされ、第2~4作の増刷も断られる理由は、表向きは不況のせいということですが、極端な説を公にすれば、その成り行きによっては社の存亡にかかわるので引き受けられないものと思われます。もし、米田氏の説が主流となれば世界規模の大ヒットが予想されるのに残念なことです。

 AB&JC PRESS was started out as a volunteer publication office which deals with editing and publishing of Mr.Ryozo Yoneda’s private work.
 Four of Mr.Yoneda’s written work have been overwhelmingly received by ancient history readers. However, his recent work and additional reprint of volume 2 to volume 4 have been rejected by publishers for reason of depression in the printing industry asthey claimed.
 But, the truth of the matter is that publishers do not want to take the risk to jeopardize their business in printing some extreme opinion. Cause it may bring unpredictable consequence to the publishers.
 It’s unfortunate and regret to say the least that if Mr.Yoneda’s opinion became the main stream then a world wide smashing hit could have been expected.


 20年程前、名古屋の鶴舞にある古書店で手にした『法隆寺は移築された』という不思議な(当時はそう思えた)タイトルの本が「米田建築史学」との出会いであった。私自身は自宅や仕事場の設計を手掛けるほどの建築マニアであったが、いざ 読み始めてみると 知らない建築用語に満ちており、ギブ・アップしそうになった。そこを我慢して、ひと通り目を通したところ、書いてあることは直感的に真実である、と思えた。著者・米田良三氏は建築家としての閃きを武器にして「移築説」に到達し、繰り出す仮説にはロマンがあり、謎解きの楽しさもあり、さすが 理系の歴史家だと感心させられた。さっそく 高校の同窓会の席で、東大出身の仲間に「法隆寺移築説」を披露したところ、「バカヤロー ! そんなことあるかーっ、教科書に書いてないがや!」とB層さながらに名古屋弁でまくし立てられ、こちらの闘争心に火が点いた。

 その後、『建築から古代を解く』という第2作がある、と知るも入手できず、直接 著者にファックスを送りゲットした。これを契機に分からないことを質問するなど、著者との お付き合いが始まった。

 その頃、米田氏は某建築雑誌に続けていた連載(計53回)を終え、その原稿を出版社に持ち込むも 出版を断られた、という。小・中学校時代の学級文集、高校のクラス会の記念誌の編集などに手腕を発揮した経験から、米田氏の連載の単行本化に心が動き、ごく短い電話での話し合いだけで、編集・出版を引き受けるという約束をしてしまった。

 当時、私はパソコンを触ったことすらなかったのだが、この機会に扱い方を覚えてしまおうと思ったことと、歴史・建築の学会が米田氏の連載の内容に不快感を抱いている、と聞かされ〝自分がやらなきゃ 誰がやる ? !〟の心境に至ったことも確かだ。もうひとつは、編集を担当すれば、米田史学の真髄をとことん学ぶことが出来るに違いない、と期待した。確かに、一読者であるよりは勉強にはなったが、その時は まさか15年以上も のめり込むとは 全く予想だにしていなかった。

 ここで、自意識過剰の情報発信の物語の一部分として、米田氏の著作について 初めて学ぶ人たちのために オリエンテーションをしておきたい。

第1書『法隆寺は移築された』
 建築家の眼が照らし出した移築の真実
 法隆寺の『昭和の解体修理工事報告書』、『西院資材帳』などを建築家の視点から詳細に検討し、法隆寺西院伽藍の金堂・五重塔、中門などが九州大宰府から移築されたものであると論じる。

 全てはこの本から始まった。プロの歴史家では絶対に無理だが、建築家の目を通すと、こんなにも違って見える。建築という補助線を引くと、謎の多くが解明される。難解な建築用語が次から次へと出てくるが、気にしないで読み進む。何度も繰り返し読んでいるうちに、靄(もや)が晴れるように理解が可能となる。分かりにくいのは、今まで学校でなされたマインド・コントロールの影響でもあるので、この第1書については特に集中する。そうすれば第2~4書では楽に読み進むことが可能な筈だ。

第2書『建築から古代を解く』
 建物は古代をときあかす記録の宝庫である
 法隆寺・観世音寺・三十三間堂に刻印された記録を読み取りながら倭国の文化と、聖徳太子の原像を描き出す。

 この第2書は 実質上の『続 法隆寺は移築された』である。数式が頻繁に登場するが、ただの加減乗除・比例計算だから 全然 難しくない。「三十三間堂の謎」への突っ込みは圧巻である。

第3書『列島合体から倭国を論ず』
 地名や文化の伝播で列島合体を検証し倭国の博多を復元
 糸魚川静岡構造線で西日本と東日本が合体したのは4000年前だ。この時、三内丸山は壊滅し、温暖な気候も終わった。この衝撃から耐震技術も発達している。

 本書でも、前記マインド・コントロールが邪魔をするが、素直な心で読み進む。「博多論」は博多っ子 でなくともエキサイティングだ。

第4書『逆賊磐井は国父倭薈だ』
 倭国倭薈は倭の五王の後継の賢帝である
 倭薈は逆賊 「磐井」として『紀』に記録され、継体に滅ぼされた王である。天皇家により倭国から略奪され、奈良に移築された三寺を素材としてまぼろしの倭国の全体像に迫る。

   〝阿弥陀如来が日本人である〟とは なかなか納得できないが、まずは 読んでみることだ。三寺(薬師寺、長谷寺、東大寺)については、米田氏以外の誰も書いたことの無い内容であり、理解できた後の優越感、満足感は、読んだ者にしか分からない。

 以上4書が新泉社から出版された米田氏の著作の総てである。「地震と建築と」というタイトルの連載は、これら4書の集大成に百人一首を中心とした和歌の分析を加え「移築説」の裏を取るといった構成になっている。米田氏は明言したことはないが、異端の香り漂う、これらの内容は、さる筋(すじ)から嫌われ、その出版は受け入れ難かったようである。

 さて、米田氏から渡された連載原稿のうち、地震の話題が中心のものが幾らか含まれていたが、ひとまず全編まとめて プリンターを使って、手作り本を20冊ほど作ってみた。案の定、歴史がメインの読者にとっては 地震の話は余計なものに映ったようで、関連の薄いものは除外して、よりコンパクトなものへの作り直しが必要と感じられた。

 その頃、前記第4書にある長谷寺の倭国時代の所在地について 是非突き止めたい、という気持ちが抑えられず、電話で議論する日々が続いた。やがて、米田氏から、移築前の所在地の見当が付いた、と連絡が入り 現地で確かめようということになり、2008年11月、博多駅で落ち合い、佐賀県三瀬村に向かった。その時のいきさつも含め、倭国長谷寺に関する詳細は〝311テロ〟後に完成したAB&JC PRESS版第2書『現代を解く・長谷寺考』を読んで頂ければ総てが理解できる、と自信を持って言える。

 その日の晩は 二日市のホテルで一杯やりながら 古代史談義となり、米田氏の引き出しの多さ・深さに圧倒された。二人とも松阪生まれということもあり、賀茂真淵と本居宣長の「松阪の一夜」を勝手に連想していた。「りょうぞう&しょうぞう の 二日市の一夜」と将来語り継がれるほど「長谷寺移築説」が認められる日が来る事を待ち望んでいる。

 最終日の太宰府巡りを終え、帰りの新幹線内で米田氏は自分がガンである旨 私に告げた。その瞬間から 私の中では『地震と建築と』の作り直しと、米田氏の健康寿命の維持が最大のテーマとなった。米田氏自身にとっては ① 自身のアイディアによる免震装置の普及と会社の発展 ② 建築史学をベースにした倭国の真相の解明 ③ 病との闘い の三つが残りの人生の重要な目標になったと思う。そこで、二人の目標は まず1冊を完成させること、即ち、本書の初版に当たる『続 法隆寺は移築された』のことである。最悪1冊で終わるかと思われたのだが、ハードな〝ゆだきん医療〟を避け、ひと工夫した闘病をしながら、その後 二人がかりで長谷寺、宇治平等院、柿本人麿の各々をメイン・テーマとした『長谷寺考』、『東アジアの悲劇』、『柿本人麿の真実』計4作を作り上げた。氏の闘病・治療方針について言いたいことはいっぱいあるが、今となっては質問をぶつける相手が居なくなってしまったことが一番つらい。

 以上が『法隆寺は移築された』との出合いから『続 法隆寺は移築された』発刊に至るまでのショート・ストーリーである。この改訂版を読んで 「米田建築史学」に首尾よく入門できた方々には、その後の3冊に進まれることを是非お勧めする。各テーマの新知見が3冊それぞれに盛り込まれており、新泉社版の文中で米田氏が語っていた展望が 大方 成就されていることに驚かれることと思う。著者は有言実行の人であった。

 著者・米田氏に限ったことではないが、著作が複数冊ある場合、内容が重複することが珍しくない。このシリーズもその例外ではないが、新しい方には必ず何らかの進展がある。1冊の中でもテーマが重複するのは、原稿の書かれた時期に違いがあったからであり、プロの編集者が関われば、入念にチェックするところであろう。しかし、ページ数が膨らんだ分だけ、理解が深まるというメリットもあるので、ノン・プロの編著者としては余計な小細工はしていない。

 今までの流れが理解されたところで、AB&JC PRESS版の第1書(初版)を含め全4作につき御案内する。

第1書『続 法隆寺は移築された「源氏物語」は筑紫が舞台だ』

 この第5作(新泉社版を含めて)は〝著者が某建築雑誌に2001年12月から53回にわたって連載したものをまとめたもので、『法隆寺は移築された』をはじめとする 今までの4冊を総括し、新たな知見を加えた 理系ならではの興味深く、類書では絶対に見られない内容がぎっしり詰まった「建築史学入門」に仕上がっている〟とホームページ等でアピールしたものの、編集の未熟さを露呈してしまい、今回の作り直しを迫られた。内容的には新泉社版とAB&JC PRESS版の橋渡し的存在なので、編集をやり直し、サブ・タイトル「『源氏物語』は筑紫が舞台だ」を メイン・タイトル「YONEDA'S 建築史学入門」に変更した。編著者のコメント・写真・レイアウトが心地よく受け入れられ、そして本書が〝救国の歴史書〟と評価される日が来ることを期待している。

第2書『現代を解く・長谷寺考』

 第1部で扱うのは約1500年前に造られた広大な施設(長谷寺)の遺跡である。もちろん過去、誰も取り上げていないし、ほとんど無傷のまま今に残っている。当時の建物は( 現地には )無いが、当時を復元できる諸々があることを示したい。第1部の主人公の一人である柿本人麿の歌が、それらの自然と次々と結びつくこととなる。その情景の広がりをまとめたのが第2部である。第3部は阿弥陀信仰の対象である阿弥陀如来が、ここで取り上げる倭国王倭薈の存在を置き換えたものであることを経典等から明らかにしようとする試みである。

 本書をきっかけに国民の総てが長谷寺に関心を持てば、日本は生まれ変わると断言する。「清明上河図」の新解釈もビッグニュースとして世界に発信され、定説となることを期待している。

第3書『日本国王室全滅亡 東アジアの悲劇』

 白村江の戦いの裏には日本国・百済国・高句麗国を滅亡させるという、唐・新羅国・扶桑国の三国密約があり、日本国は用意周到で卑劣な罠に掛かったと思われる。百済国と高句麗国は国情や滅亡が嘘でも一応は歴史書に記されるが、日本国は存在したことも、滅亡したことも記されていない。

 九州王朝倭国が「日本国」を名乗っていた時代があった、とは誰も知らない。〝無かったのだから 滅亡することも無い〟という歴史の中で我々は暮らしている。真実を知らないまま、この幻の日本国のDNAを引き継ぐ現在の日本国民が再び用意周到で卑劣な罠の中にいると何パーセントが気付いているだろうか。本当の歴史を教えられないままだと 簡単に国が滅びる(日本語並びに同族意識の消滅)ものだ、と思い知らされる最近の情勢である。
 本書では宇治平等院の九州時代の所在地が明らかにされる。『源氏物語』の年表的分析も見所である。
 「清明上河図」に匹敵する「明人出警入蹕(ひつ)図」についても驚きの解説がなされる。

第4書『大倭歌聖 柿本人麿の真実』

 AB&JC PRESS版 第4書『柿本人麿の真実』のストーリー展開は前3書と重複して進行するが、柿本人麿を軸とした和歌の統計的解析、著者オリジナルの「法隆寺関連年表」、「筑紫観世音寺年表」、「源氏物語年表」が鋭く倭国の真実に迫る。理系的論述が定説派に与えるインパクトは小さくはないが、反応は皆無と思われる。類書は全くなく、従来の歴史をひっくり返すスリルが楽しめるだろう。


 今後、大いに発展する話題として 大和長谷寺を挙げたい。現在の本堂、観音像は間違いなくオリジナルと断言して良い。仏教界、学者諸氏 !〝法隆寺より古い〟歴史的事実は都合が悪かろう。しかし、世界に誇る歴史がありながら、いつまでも自虐的であり続けてよいのか ? 嘗て在った筈の王朝が消されたままで、大半の国民が知らぬ間に国の力、尊厳は加速度的に落ちている。真偽は定かでないが、現在の日本を動かしているのは純粋な日本人ではないらしい。とすれば、我が国は3度目の「白村江」の時代のド真ん中に在るのではないか ?


          平成29年8月2日
                    渡辺しょうぞう



 以上4書は制作部数が極端に少ない上、今後も書店に並ぶことはありません。入手希望等、お問い合わせはGメール(abandjcclub@gmail.com)、又はFax(0566-77-5494)をご利用下さい。